脳卒中
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脳梗塞における白血球接着分子LFA-1と血管内皮接着分子ICAM-1の経時的変動
高濱 美里野村 恭一島津 邦男
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2000 年 22 巻 4 号 p. 487-494

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抄録

脳梗塞の病態に白血球(単球・リンパ球・顆粒球)接着分子lymphocyte functionassociated antigen-1 (LFA-1)およびそのリガンドである血管内皮接着分子intercellular adhesion molecule-1(ICAM-1)の関与が注目されている.ラクナ梗塞12例と健常者12例を対象とし,ラクナ梗塞は発症24時間以内,1~2日,5~7日,3~5週と経時的に採血した.LFA-lα (CD 11a),LFA-1β(CD 18)はflow cytometerを用い,それぞれ単球,リンパ球,顆粒球の高発現分画brightの発現率を測定した.可溶性ICAM-1(sICAM-1)はELISA法で測定した.LFA-1α・βのbrightは,発症24時間以内では単球の発現が,3~5週ではリンパ球の発現が増加し,顆粒球は経過を通じて明らかな変動を認めなかった.sICAM-1は発症5~7日のみ健常者に比べ高値を示した.白血球LFA-1は,脳梗塞発症直後から慢性期にかけて顆粒球,単球,リンパ球の順に上昇し,脳梗塞の組織障害の病態に関与することが示唆された.

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