脳卒中
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脳梗塞患者の耐糖能障害
宮原 忠夫佐古 伊康村井 淳志亀山 正邦川又 敏男
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1983 年 5 巻 1 号 p. 20-27

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抄録

脳梗塞における耐糖能障害の役割を明らかにする目的で, 健常者17名と, 肥満のない慢性期脳梗塞患者129名 (皮質枝系梗塞70名, 穿通枝系梗塞59名) に50g経口糖負荷試験を行なった.
脳梗塞患者では両群とも耐糖能の障害が高率に認められた.WHOの分類では耐糖能異常 (IGT) に含まれるものが多かった.遊離脂肪酸は高値であったが, 糖負荷に対する低下反応は正常であった.グルカゴンは低下反応の消失している例が多かった.インスリン (IRI) は両群とも反応の遅延がみられた.穿通枝系梗塞では30分値が健常者および皮質枝系梗塞に対して有意の低値を示し, インスリン指数やΣIRIも低値であったが, 皮質枝系梗塞ではΣIRIがむしろ高値を示した.この結果は, インスリン依存性の糖尿病が穿通枝系梗塞を発症しやすいのに対して, インスリン高値が皮質枝系梗塞のリスク要因となる可能性を示唆している.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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