抄録
脳血管のノルアドレナリン作動神経終末部や血管平滑筋および脳幹部に存在するα2-adrenoceptorの脳循環動態における役割を検討した. [方法] ネコ13匹を用い, α2-agonistのclonidine100μg/kg静注 (i.v.) あるいは10μg/kg頚動脈内投与 (i.c.) の脳軟膜動脈口径および脳循環自動調節に及ぼす影響を, video camera systemにより観察した. [結果] (1) clonidinei.v.時, 血圧は一過性に上昇した後緩徐に低下し, i.c.時には投与直後より徐々に低下したが, 血圧低下はi.v.群で著明であった. (2) clonidinei.v.あるいはi.c.時, 脳軟膜動脈は一過性に収縮した後徐々に拡張したが, 血管拡張はi.c.群で著明であった. (3) clonidine i.v.群では血圧下降時の脳軟膜動脈拡張反応に比べ, 血圧上昇時の脳軟膜動脈収縮反応が障害されたが, 脳幹部へ到達する薬剤量の比較的少ないi.c.群では大きな変化を認めなかった. [結論] α2-adrenoceptorは脳軟膜動脈口径の変化や脳循環自動調節に密接に関与していると考えられる.