脳卒中
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5 巻 , 2 号
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  • 森山 忠良, 小野 博久
    1983 年 5 巻 2 号 p. 71-78
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    Four vessel studyを行ったRIND20症例 (平均年齢48.8歳) を対象に脳血管造影に基づく動脈硬化性病変や臨床所見の特徴などについて検討した. (1) 臨床症状としては運動障害や言語障害をきたす症例が多く知覚障害をみるものは予想に反し少なかった. (2) 脳血管造影所見では内頚動脈領域85%, 椎骨脳底動脈領域30%に病変がみられ, 脳血管に全く異常が認められない症例も15%にみられた. (3) RINDを生じたと思われる責任病巣では脳血管が主病変と考えられたものが70%, 心疾患に基因するもの10%, 責任病巣が不明なもの20%であった. (4) 最長5年間の追跡調査では, 非手術群より手術群において良好な結果が得られた.以上のことから症例によっては積極的な外科的治療が必要と考えられた.
  • 桜井 芳明, 小川 彰, 小松 伸郎, 鈴木 二郎, 小沼 武英
    1983 年 5 巻 2 号 p. 79-86
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    破裂脳動脈瘤急性期の頭蓋内根治手術の時期決定については, 未だ定説がなく, 現在世界的規模で, その協同研究が進行中である.我々は1981年2月より, 1982年2月迄の13ヵ月間に, 脳動脈瘤初回破裂後の第4病日以内に収容した93例を対象に, 入院時の状態及び入院後直ちに頭蓋内根治術を施行した急性期手術群と, 5日以降に根治手術を待機した群の発症2ヵ月後の治療成績を比較し, 最も効果的な破裂脳動脈瘤の手術時期について検討を加えた.その結果, (1) 1回の破裂発作後では, 入院時の患者の状態は, grade (Hunt&Kosnik) 1, 2の良好例が55例 (59.2%) を占め, grade5の症例は4例 (43%) と少なかった. (2) 急性期手術群49例の治療結果は, 日常生活に他人の介助を要するmorbidity6例 (12.2%), 死亡mortality 3例 (6.1%) であった.一方, 急性期手術待機群44例では, その後根治手術を施行した32例及び, 非手術例12例のoverall morbidity 5例 (11.4%), mortality 10例 (22.7%) であり, 超急性期手術の優位性が示された.
  • 鈴木 則宏
    1983 年 5 巻 2 号 p. 87-98
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳血管壁自律神経終末の分布状態を明らかにする為5-hydroxydopamine (5-OHDA) 投与後に電顕上adrenergic vesicleのdensityが増強することを利用し, adrenergic nerve terminal及びnon-adrenergic nerve terminalの性状を定量的に検討した.【方法】ネコを用い5-OHDA (5mg/kg) 投与後glutaraldehydeにて灌流固定し, 電顕上, 中大脳動脈 (MCA), 脳底動脈 (BA), 椎骨動脈 (VA) の中膜筋層に隣接するadrenergic及びnon-adrenergic nerve terminalの数及びterminal内のvesicleの最大径, 数を測定した.【結果】各血管のadrenergic vesicleの最大径はMCA82.77±0.66mm (M±SEM), BA 81.30±0.79nm, VA 79.94±0.83nmであり, これはnon-adrenergic vesicleのMCA 57.22±0.38nm, BA 58.23±0.35nm, VA54.44±0.42nmに比し有意に大であった (P<0.01).単位神経終末当りのadrenergic vesicle数はMCA7.60±0.54, BA6.49±0.31, VA5.34±0.38, non-adrenergic vesicle数はMCA15.58±1.02, BA15.19±1.20, VA13.34±1.14であった.また中膜平滑筋1000nmに対するadrenergic nerve terminal数はMCA2.297, BA2.170, VA 1.815, non-adrenergic nervetermina1数はMCA 1.403, BA 0.991, VA 0.937であった.【結論】脳血管壁の自律神経終末内の両vesicleの最大径はそれぞれほぼ一定の大きさを有し, 両終末の分布密度はMCAがBA, VAに比し高かった.
  • 鈴木 則宏, 後藤 文男, 厚東 篤生, 森田 陽子, 千田 龍吉
    1983 年 5 巻 2 号 p. 99-110
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳血管壁に分布する自律神経と上頚神経節との関連を明らかにする目的で同神経節摘出後の中大脳動脈 (MCA) 及び椎骨動脈 (VA) 壁神経終末の電顕像を定量的に検討した.【方法】ネコ5匹を用い一側上頚神経節摘出3週後に5-hydroxydoparnineを静注し15分後にglutaraldehydeにて灌流固定し, 両側MCA起始部及びVA (PICA分岐部) より切片を作成し, これら4本の血管壁に含まれる神経終末内のadrenergic及びnon-adrenergic vesicleの最大径を画像解析装置 (Luzex 500) にて測定した.対照群 (sham operation) 4匹についても同様に標本を作成した.【結果】MCA : 摘出側adrenergic vesicle (98.44±0.69nm, n=500) (M±SEM) は対側 (80.00±0.62nm, n=500) 及び対照 (82.25±0.78nm, n=400) に比し有意に大であり (p<0.001), 摘出側non-adrenergic vesicle (55.56±0.41nm, n=500) も対側 (49.96±0.46nm, n=500) 及び対照 (51.83±0.48nm, n=400) に比し有意に大であった (p<0.001).VA : 摘出側adrenergic vesicle (86.33±0.95nm, n=500) は対側 (82.50±0.83nm, n=500) 及び対照 (82.24±0.87nm, n=400) に比し有意に大であり (p<0.005), i摘出側non-adrenergicvesicle (49.98±0.52nm, n=500) は対側 (52.50±0.39nm, n=500) 及び対照 (54.65±0.52nm, n=400) に比し有意に小であった (p<0.001).【結論】上頚神経節摘出はMCAでは同側のadenergicvesicleのみならず同側non-adrenergic vesicleの大きさに影響を及ぼした.一方VAでも同様の影響があったがその程度は軽度であった.
  • 山口 修平, 小林 祥泰, 恒松 徳五郎
    1983 年 5 巻 2 号 p. 111-116
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    虚血性脳血管障害患者76例においてantithrombin III (AT III) の変動と, それに対するurokinase と aspirin投与の影響を検討した.
    年代別, 性別検討では, 正常群に比し69歳以下の男性で低下傾向を認め, 女性では全年齢で高値を示した.また65歳以下では男性が女性に比し低値を示したが, 70歳以上では差は認められなかった.病型別検討では, 脳血栓に比し脳塞栓の方が低値を示す傾向を認めた.病期別検討では, 発症後6ヵ月以後にやや高値を示したが, 各病期間に有意差を認めなかった.一方薬剤投与の影響に関しては, urokinase投与によりAT IIIは低下するのに対し, aspirin投与によりAT IIIは有意の増加を示した.そして, 発症後早期 (1ヵ月以内) に投与する程, またATIIIが低値を示す例程増加の程度は大きいことが認められた.
    以上のことより, AT IIIは虚血性脳血管障害の病因と関連し, さらに治療上有用な指標の一つとなると思われる.
  • 長内 智宏, 目時 弘文, 金沢 武道, 盛 英機, 小野寺 庚午
    1983 年 5 巻 2 号 p. 117-123
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    ADH分泌異常症候群 (SIADH) の誘因として中枢神経系疾患はよく知られているが, 脳血管障害は稀であるといわれている.著者らは脳血栓症患者が尾状核頭出血の併発後, 約1ヵ月間低Na血症を呈した症例を経験した.症例は67歳, 男性.主訴は左片麻痺.昭和53年10月14日脳血栓による左不全麻痺が発症し, 以後2回の脳血栓再発作と頻回のTIAを繰り返していた.抗凝固剤投与中, 昭和56年3月31日右尾状核頭出血発症.頭部CTscan.で側脳室及び第3脳室への穿破が確認された.検査成績は, 血清Na122rnEq/l, 尿Na5.2g/日, 血清及び尿浸透圧262mOsm/l, 440mOsm/l, 血液pH7.48, PRA5.Ong/ml/hr, 血中ADH 1.5Pg/ml.高張食塩水500ml/日投与したが低Na血症は改善されなかった.PRAの上昇は降圧利尿剤の使用によるもので, SchwartzらのSIADHの診断基準に矛盾する点はなかった.血中ADHは低Na血症の改善開始時に採血され, 正常範囲であったが, 本症例は尾状核頭出血によりSIADHが併発されたものと考えられた.
  • 輪田 順一, 上田 一雄, 尾前 照雄
    1983 年 5 巻 2 号 p. 124-130
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    昭和36年11月1日現在, 満40歳以上の久山町住民1,621名を18年間追跡し, この間に発症した脳梗塞例171名を対象に長期予後と再発作について検討した.
    脳梗塞例の長期生命予後は一般住民に比べ明らかに不良で, 5年・10年生存率は51%, 36%と一般住民の約2/3, 1/2であった.また70歳以下の発症者の長期生命予後は70歳以上の一般住民のそれに相当した.発症者間で長期生命予後に性差はなく, 高齢者 (70歳以上) とADL不良群で明らかに不良であった.また高血圧群 (収縮期≧160mmHg and/or拡張期≧95mmHg) で生命予後不良の傾向がみられた.
    発症後1ヵ月以上生存した154例中31例 (20%) に再発作があり, 初回発作後2年以内に48%, 5年以内に84%が起っていた.年間再発率は5年間で平均5.4%であった.再発作は男女とも高血圧群, 心房細動群, 男で糖尿病群に多い傾向がみられた.
  • 小張 昌宏
    1983 年 5 巻 2 号 p. 131-142
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
    脳血管のノルアドレナリン作動神経終末部や血管平滑筋および脳幹部に存在するα2-adrenoceptorの脳循環動態における役割を検討した. [方法] ネコ13匹を用い, α2-agonistのclonidine100μg/kg静注 (i.v.) あるいは10μg/kg頚動脈内投与 (i.c.) の脳軟膜動脈口径および脳循環自動調節に及ぼす影響を, video camera systemにより観察した. [結果] (1) clonidinei.v.時, 血圧は一過性に上昇した後緩徐に低下し, i.c.時には投与直後より徐々に低下したが, 血圧低下はi.v.群で著明であった. (2) clonidinei.v.あるいはi.c.時, 脳軟膜動脈は一過性に収縮した後徐々に拡張したが, 血管拡張はi.c.群で著明であった. (3) clonidine i.v.群では血圧下降時の脳軟膜動脈拡張反応に比べ, 血圧上昇時の脳軟膜動脈収縮反応が障害されたが, 脳幹部へ到達する薬剤量の比較的少ないi.c.群では大きな変化を認めなかった. [結論] α2-adrenoceptorは脳軟膜動脈口径の変化や脳循環自動調節に密接に関与していると考えられる.
  • 小松 美鳥, 妹尾 陽子, 岡本 幸市, 森松 光紀, 平井 俊策
    1983 年 5 巻 2 号 p. 143-149
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    麻痺をほとんど認めない失語症18例の病巣部位検索を主にCTを用いて行った.
    運動失語群は臨床的には非典型例で病巣も極めて限局性であった.感覚失語群は左上側頭回を中心に時に縁上回・角回に及ぶ比較的広範な病巣を示した.超皮質性運動失語群, 健忘失語群は病巣が限局性ないしはCT上明らかな異常を示さなかった.超皮質性感覚失語群は左中および後大脳動脈の境界域に低吸収域を認めた.全失語群は散在性病巣により個々の言語野が障害された例の他に, 連続性病巣を示す例, 病巣がシルビウス裂を越えて前方には及んでいない例があった.このような場合には他の症例も考え合わせ, 単に病巣の広がりのみでなく完全軟化か不完全軟化かといった病変の強さ, CT上の病巣に比しより広範囲に及ぶ乏血なども考慮すべきである.さらに運動機能と高次脳機能である言語機能との間には乏血に対する閾値に差があるのではないかと思われた.
  • 内山 富士雄, 篠原 幸人
    1983 年 5 巻 2 号 p. 150-154
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    肺大細胞癌による脳内多発性腫瘍塞栓の1剖検例を報告した.手術を誘因としない自然発症の脳内腫瘍塞栓は, 本症例 (第75回日本神経学会関東地方会発表) が本邦はじめてであった.
    本症例は呼吸不全により死亡したが剖検上, 右内包後脚および橋右腹側部に軟化巣を認め, 同部の動脈内に肺と同一腫瘍組織による閉塞所見を認めた.
    欧米の文献上みられた脳内腫瘍塞栓25例を検討したが, 脳塞栓を生じる原発腫瘍としては肺癌および絨毛上皮腫が多く, 手術を誘因としない自然発症の腫瘍塞栓例では多発性の小梗塞を呈しやすい傾向がみられた.また, 本疾患としてはじめてのCT所見も合わせ報告した.
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