脳卒中
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XenonCT法による局所脳血流測定
その問題点と方法論について
豊原 敬三豊島 良一城市 貴史下条 貞友宮原 正
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1984 年 6 巻 4 号 p. 411-418

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抄録

Xenon CT法により局所脳血流量 (LCBF) を測定し, その問題点と方法論を検討した.対象は健康成人7例, 脳梗塞9例である.使用Xenon gas濃度はXenonエンハンス率やS/N比, 麻酔作用等の問題を考慮すると, 50%が至適である.非侵襲的なLCBF測定を行うために, 比較的短時間Xenon吸入法を考案した.すなわちscanning intervalを初期には1分毎に, 以降3分前後とし, 全吸入時間を6分から15分に設定して比較検討した.さらにscan dataをautoradiography法を改変した指数関数curve fitting法により処理した.その結果基底核, 視床においては, Xenon 6分吸入曲線から臨床応用が可能なLCBFを得ることができた.この方法により健常例の基底核におけるCBFの平均値は, 85.7±19.3ml/100g/minであり, 飽和曲線から得た平均94.8±17.4mlとほぼ一致した.LCBFの計算処理方法に関し, scannerの性能, radiation dose等から, Xenonの飽和曲線を用いたautoradiography法が至適であると思われる.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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