脳卒中
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皮質下出血の臨床的検討
高血圧性と特発性との比較検討
安藤 隆坂井 昇山田 弘高田 光昭船越 孝
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1985 年 7 巻 3 号 p. 210-218

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抄録
過去4年間に取り扱った外傷脳動脈瘤破裂を除く皮質下出血は68例で, うち特発性28例, 高血圧性17例であった.特発性を病理組織学的にsmall angiomatous malformationが証明されたcryptic AVM群 (13例) と真の特発性, すなわち原因不明群 (15例) に分け, 高血圧群と比較検討した.1) 発症年齢はcryptic AVM群では平均40歳であったが各年齢層に及び, 必ずしも若年者とは限らなかった.又, crypticAVM群には女性が多かった.2) 初発症状は高血圧性が片麻痺, 言語障害で発症したのに対し, cryptic AVMは頭痛, 悪心で発症し進行が緩徐であった。3) 血腫部位は高血圧群, cryptic AVM群は頭頂葉, 原因不明群は後頭葉に多かった.4) 脳血管撮影ではcryptic AVM群の5例にearly venous filling, extravasationなどを認めた.5) cryptic AVMの発見には術中の検索が大切で, 高血圧性と思われても探索を怠ってはならない.6) 予後は高血圧群, cryptic AVM群, 原因不明群とも良好例が多かったが70歳以上の高齢者は合併症の為, 不良であった.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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