1985 年 7 巻 3 号 p. 224-231
後下小脳動脈peripheral branch動脈瘤は非常にまれであり, 破裂例の報告は4例のみであり, CT所見も加えた詳細な報告は未だない.我々は, 4例の後下小脳動脈peripheral branch動脈瘤破裂例を経験し, 全例, CT上第4脳室内を主とした出血を認めるも, 脳底クモ膜下槽への出血は明らかでなかった.これは, CT上の特徴的所見であり, 診断上, この特徴的所見を認めた場合, まれであるが, 後下小脳動脈peripheral branch動脈瘤破裂を鑑別に挙げ, 両側の推骨動脈写を施行すべきである.また, 後下小脳動脈peripheral branch動脈瘤のほとんどが, 5mm以下の小動脈瘤であることより, 斜位撮影, 拡大撮影も加えて徹底的に行なうべきである.