1987 年 9 巻 2 号 p. 124-128
直達手術を行った65歳以上高齢者破裂脳動脈瘤の遠隔成績 (術後平均2年10ヵ月) を検討した.対象39例の結果は, 日常生活に支障がない, 18例 (46%), 多少の介助で日常生活普通にできる8例 (21%), ベット上臥床で全面介助4例 (10%), 死亡9例 (23%) であった.経過良好例 (日常生活に支障がない, 多少の介助で日常生活普通にできる) は, grade I, IIで90%, grade IIIでは45%, grade IVで0%.死亡9例 (23%) であった.死亡 (9例) の原因は, 脳血管攣縮3例, 肺炎などの全身合併症6例であった.以上より, 意識障害のない例 (grade I, II) では積極的に早期手術を行い, さらに意識障害のある例 (grade III, 一部gradeIV) でも, 全身に重篤な合併症がなく, 発病前に健康な生活を送っている例では早期手術を行い, しかる後に充分な全身管理を行うべきであろう.