抄録
1996年に変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の存在が報告されてから,プリオン病は人獣共通感染症と認識されるようになった.2001年には我が国でもBSE感染牛が見つかり,大きな社会問題となった.欧州におけるBSE発生は減少傾向にあり,英国におけるvCJDの発生も減少傾向が認められるが,欧州以外の国でのBSEの発生,輸血によるvCJDの伝播,日本におけるvCJD患者の発生など,危惧していたことが次々に現実となった.BSEの感染拡大防止と撲滅には,BSEスクリーニング/サーベイランス,特定危険部位の除去,飼料規制の継続が必要である.また,輸血用血液,医薬品原料などのプリオン汚染を摘発して排除するためには,高感度プリオン検出技術の開発が望まれる.さらに,人プリオン病の治療法確立も重要な課題である.