ウイルス
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ピコビルナウイルス
谷口 孝喜和久田 光毅
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2005 年 55 巻 2 号 p. 297-302

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抄録

 ピコビルナウイルスとは,小さなビルナウイルスとして名付けられた,まだ未分類のウイルスである.ビルナウイルスと同様に,2分節の2本鎖RNAをゲノムとして有するが,その性状は互いに大きく異なる.ピコビルナウイルスは,主として,胃腸炎患者の便から,そして,さまざまな哺乳動物,鳥類の便からも検出されているが,その病原性は明確ではない.いずれのピコビルナウイルスも,培養細胞で増殖できず,また実験動物での感染実験系もなく,このウイルスに関する情報はきわめて少ない.遺伝子解析もあまり進んでいなかったが,最近,ヒト由来のピコビルナウイルスの2分節のRNAの全塩基配列が明らかになった.

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© 2005 日本ウイルス学会
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