ウイルス
Online ISSN : 1884-3433
Print ISSN : 0042-6857
ISSN-L : 0042-6857
トピックス
新興ウイルス感染症の網羅的検出方法(RDV法)の確立と応用
水谷 哲也
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 57 巻 2 号 p. 217-226

詳細
抄録
 新興ウイルス感染症のアウトブレイクに備えて,RNAウイルスの網羅的検出法を開発した.ゲノム核酸を均一に増幅する技術(Whole genome amplification)と核酸のライブラリーを2度作成することによる感度上昇,さらに新しく開発したダイレクトシークエンス法を組み合わせることにより,血清や培養上清を対象とした新しい検出方法を構築できた.この方法をRapid Determination System of Viral RNA Sequences(略してRDV法)と名付けた.RDV法はわずか2日間でRNAウイルスゲノムの塩基配列の一部を決定することが可能であり,バイオテロなどにも有用かもしれない.RDV法はSARSコロナウイルスや西ナイルウイルスなどの新興ウイルスを感染培養上清から効率良く検出することができた.また,ヒトの臨床検体や蚊媒介性ウイルスの同定にも応用可能であることを示した.RDV法はRNAウイルスだけはなく,DNAウイルスにも適用でき,RDV法を用いてコウモリの新しいアデノウイルスやヘルペスウイルスを同定することにも成功した.このトピックスでは,RDV法の工程を説明し,基礎的データや応用例を示すと共に,本法の将来的な展望についても言及したい.
著者関連情報
© 2007 日本ウイルス学会
前の記事
feedback
Top