ウイルス
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特集
ウイルス性胃腸炎の診断法と疫学の過去,現在と今後の展望
牛島 廣治
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2009 年 59 巻 1 号 p. 75-90

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抄録
 ウイルス性胃腸炎の研究の流れ,概要,診断法,分子疫学について述べた.ロタウイルス,アデノウイルス,ノロウイルス,サポウイルス,アストロウイルス,ヒトパレコウイルス,アイチウイルス,ヒトボカウイルスを取り上げた.それぞれに遺伝子群(genogroup),遺伝子型(genotype),亜型(subgenotype)/クラスター(cluster)/リニージ(lineage)などがあり,地域・年によって変異が起きていることがわかった.これらの変異には点変異のみならず,ヒト-ヒトおよびヒト-動物ウイルス間の組み換えもみられた.ウイルス性胃腸炎は食物だけではなく,ヒト-ヒト感染が重要であり,また環境との関係も注目される.研究の進歩で少しずつ自然生態系の中での各ウイルスの有り様がわかってきた.すでに究明されたウイルスに対しては免疫学的方法あるいは遺伝子学的方法で検査が可能となった.しかし更なる検査法の開発および未知のウイルスの発見が今後期待される.疫学は長く行ってはじめて現象が理解されることが多く地道な努力が必要である.新しい技術を用いながら研究を進めるとともに,流行時など社会の要求に対処する必要がある.
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© 2009 日本ウイルス学会
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