抄録
ロタウイルスは,ヒトを含めた多くの哺乳動物と鳥類の下痢便から検出される急性胃腸炎の病原ウイルスである.多くのウイルスでは,リバースジェネティクスが盛んに活用されているが,ロタウイルスにおいてはその開発が困難をきわめていた.最近,我々の研究室で,ヘルパーウイルスを利用する系ではあるが,その開発を行うことができた.それを利用して,VP4抗原解析の一歩として,サルロタウイルスSA11株のスパイク蛋白質であるVP4の一つの中和エピトープを異なる抗原特異性を有するヒトロタウイルスDS-1株由来のVP4中和エピトープに置換し,抗原モザイクとなるVP4を有する感染性のロタウイルスを調製した.レオウイルス科の他のウイルスも含めて,ロタウイルスのリバースジェネティクスとその展望をまとめた.