ウイルス
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特集 HIV研究の新しい展開~第58回日本ウイルス学会シンポジウムから~
HIV-1ゲノム逆転写過程の新規制御機構
増田 貴夫
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2011 年 61 巻 1 号 p. 73-80

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抄録

 逆転写反応はウイルスが標的細胞に吸着/侵入後,一本鎖RNAゲノムを鋳型にして二本鎖DNAを合成する過程であり,レトロウイルス複製を特徴づける反応過程である.我々は,この逆転写過程で主役を演じる逆転写酵素に加えて,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)インテグラーゼが,宿主因子と協調して逆転写酵素活性を増強することを無細胞逆転写アッセイ系による解析から明らかにした.さらに,インテグラーゼの多量体形成の維持が逆転写過程での機能に重要であることを示唆する結果を得た.本稿では,逆転写酵素に加えて,インテグラーゼおよび宿主因子によるHIV-1逆転写過程の新規制御機構について概説する.

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© 2011 日本ウイルス学会
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