ウイルス
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総説
フラビウイルスのリバースジェネティクス
鈴木 亮介小西 英二
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2013 年 63 巻 1 号 p. 13-22

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抄録

 フラビウイルスは日本脳炎ウイルス,ウエストナイルウイルス,黄熱ウイルス,デングウイルス,ダニ媒介性脳炎ウイルスなどに代表されるフラビウイルス科フラビウイルス属に分類されるウイルスの総称であり,節足動物に媒介されて出血熱や脳炎等の重篤な症状を引き起こす公衆衛生上重要なウイルスが多く含まれている.フラビウイルスの最初の感染性クローンは1980年代後半に報告されたが,ウイルスゲノムのcDNAが大腸菌で不安定な為に,その構築は容易ではなかった.この問題を克服する為に様々な方法が用いられ,現在では多くの感染性クローンを安定的に用いる事が可能となり,ウイルスの基礎研究だけでなく,ワクチンや抗ウイルス薬の開発にも不可欠な基盤技術となっている.本総説では,フラビウイルスのリバースジェネティクス系の開発の経緯とそれらを用いた応用例について概説する.

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© 2013 日本ウイルス学会
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