2025 年 25 巻 1 号 p. 21-24
液体と液体,固体と液体など,異なる相の境界に界面張力(界面エネルギー)が生じるように,異なる界面が接する1次元境界には線張力と呼ばれる線過剰エネルギーが生じる。
線張力は大きく分けると,同一の界面で共存する2つの膜構造の境界に働く,いわゆるドメイン線張力と,泡膜や乳化膜,(固体)基板上の液滴,界面吸着微粒子など3つの界面の境界に働くものがあり,その発生原理が異なる。本項では線張力の理論の詳細は割愛し,その基本的な概念・考え方を物理化学的な視点から概説する。