ウイルス
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特集:Retrovirusのウイルス学
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)最近の動向と話題
安永 純一朗松岡 雅雄
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2013 年 63 巻 2 号 p. 165-174

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抄録

 ヒトT細胞白血病ウイルス1型(human T-cell leukemia virus type 1: HTLV-1)はサルT細胞白血病ウイルス1型(simian T-cell leukemia virus)や牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus)と共にデルタレトロウイルスに属し,感染者にCD4陽性CD25陽性T細胞の悪性腫瘍である成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia: ATL)や慢性の炎症性疾患であるHTLV-1 関連脊髄症(HTLV-1 associated myelopathy/tropical spastic paraparesis: HAM/TSP),HTLV-1 ぶどう膜炎(HTLV-1 uveitis: HU)を惹起する.我が国で実施された最新の疫学調査では20年前に比較し予想したほどHTLV-1感染者が減少していないことが明らかとなり,HTLV-1感染対策と関連疾患の治療法開発が急がれている.一方で,HTLV-1の感染動態や病原性発現の分子機構は,ウイルス蛋白や関連する宿主因子の詳細な機能解析,網羅的解析技術の進歩,新しい動物モデルの開発等により,次第に明らかになりつつある.本項ではHTLV-1研究の最新の知見を紹介する.

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© 2013 日本ウイルス学会
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