抄録
ポリオーマウイルスはポリオーマウイルス科に属する哺乳類動物由来のOrthopolyomavirusとWukipolyomavirus,及び鳥類由来のAvipolyomavirusに分類されている.我々は疫学研究を通じて新規のポリオーマウイルスであるMastomys Polyoamvirus (MasPyV)及びVervet monkey Polyoamvirus-1 (VmPyV-1)を単離し,そのゲノムがコードするウイルスタンパク質の機能解析を実施した.更に,ヒトポリオーマウイルスであるJC polyomavirs (JCPyV)についての基礎研究を推進し,最近,早期タンパク質であるLarge T抗原の感染細胞における機能解析,後期タンパク質であるVP1のシステイン残基の粒子形成への影響,及び後期タンパク質であるAgnoのウイルス粒子の細胞外放出機構に対する影響について知見を得たのでその内容を紹介する.