ウイルス
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総説
レトロウイルスGagタンパク質の膜結合
小野 陽
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2014 年 64 巻 2 号 p. 155-164

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抄録
 ウイルス粒子形成が 細胞内のどの部位でおこるか,またそれがどのように決定されているかという点は,粒子形成・放出のみならず,細胞間伝播など粒子形成後の過程にも大きく影響するため,ウイルス増殖の理解を深める上でも,また抗ウイルス薬の戦略を考える上でも重要な問題である.レトロウイルスの粒子形成はウイルス構造タンパク質であるGagタンパク質の発現により起こる.HIV-1の場合,GagはそのN末端のMAドメインを介してplasma membrane (PM)に結合・局在し,そこでウイルス粒子を形成する.近年の研究により,この過程にはPM特異的なリン脂質PI(4,5)P2が重要な役割を果たしていることが明らかになって来た.本稿では,HIV-1 や他のレトロウイルスのMAが生体膜のリン脂質とどのように関わっているかについて,最近の知見を含めて紹介する.
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© 2014 日本ウイルス学会
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