ウイルス
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平成27年杉浦賞論文
単純ヘルペスウイルス1型Us3プロテインキナーゼによる病態発現機構の解明
加藤 哲久
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2016 年 66 巻 1 号 p. 83-90

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抄録

 単純ヘルペスウイルス1型(Herpes simplex virus type-1;HSV-1)は,軽度で合併症を伴わない粘膜感染から致死的な感染により,広範囲のヒト病態を引き起こす.HSV-1 Us3遺伝子は,α-ヘルペスウイルスに広く保存されるセリン・スレオニンリン酸化酵素をコードしている.次々と蓄積される知見が,Us3はHSV-1感染の極めて重要な制御因子であることを示唆している.しかしながら,Us3が司るHSV-1病態発現能の分子メカニズムは不明なままであった.本稿では,特に生体レベルにおけるUs3の重要性に注目し,HSV-1 Us3の役割に関する現在の知見を概略する.

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© 2016 日本ウイルス学会
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