ウイルス
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総説
植物のウイルス抵抗性遺伝子
石橋 和大石川 雅之
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 68 巻 1 号 p. 13-20

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抄録

植物はウイルスに対する多重の防御機構を備えており,ウイルスが植物にとって生存上の脅威であったことが推察できる.農作物の栽培では遺伝的に均質な植物の集団を密植するため,ウイルス病は壊滅的な被害をもたらす場合がある.一方,作物の近縁野生種等の遺伝的多様性に富んだ集団からは,一遺伝子でウイルス抵抗性を付与する「ウイルス抵抗性遺伝子」が見つかることがあり,これらの抵抗性遺伝子は耐病性農作物品種の育種に利用されてきた.これまでに20以上のウイルス抵抗性遺伝子がクローニングされたが,その半数以上が類似の一次構造を有しており,植物の自然免疫機構における受容体として働くことが示唆されている.一方,近年これとは異なる配列をもつ抵抗性遺伝子が相次いで同定されている.これらの遺伝子は配列も機能も多様であり,各植物種が比較的最近独自に獲得したものと考えられる.本稿では,これらの植物ウイルス抵抗性遺伝子が担う抗ウイルス防御機構の多様性について話題提供したい.

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© 2018 日本ウイルス学会
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