ウイルス
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特集:ウイルス感染症ワクチンの最前線
帯状疱疹ワクチン
渡辺 大輔
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 68 巻 1 号 p. 21-30

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抄録

帯状疱疹はヘルペスウイルス属に属する水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus : VZV)の再活性化による病態であり,片側の支配神経領域に一致した疼痛と小水疱の帯状の集簇を特徴とする.帯状疱疹は皮膚だけの疾患ではなく頭頸部領域に発症すると眼科合併症やHunt症候群を,また稀ではあるが脳炎や,髄膜炎をおこすこともある.皮疹治癒後も痛みが長期にわたって続く帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia: PHN)は患者のQOLを著しく低下させる.米国では10年以上前から帯状疱疹生ワクチンの接種が始まり,ヨーロッパやオーストラリアでも使用可能になっているが,2016年3月から我が国でも水痘ワクチンの帯状疱疹予防目的での使用が可能となった.一方,水痘帯状疱疹ウイルス糖タンパクEとAS01B アジュバントを含む新規帯状疱疹サブユニット候補ワクチン(shinglix)は,2つの大規模国際共同試験(ZOE-50 及び ZOE-70)で帯状疱疹およびPHNの発症を 90% 以上減少させることが報告された. 本項では帯状疱疹の疫学,病態や合併症について述べるとともに,生ワクチンの現状の問題点,さらに最近わが国でも認可された新規サブユニットワクチンについて解説したいと思う.

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© 2018 日本ウイルス学会
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