抄録
フィロウイルス科に属するエボラウイルスはヒトに重篤な出血熱を引き起こす.その粒子内には,ゲノムRNAと5種類のウイルスタンパク質から形成されるらせん状のヌクレオカプシドが存在し,これがウイルスゲノムの転写・複製を担う.これまでに,本研究グループはさまざまなフィロウイルスのヌクレオカプシドのコア構造であるNP-RNA複合体の構造を決定してきた.しかし,他のウイルスタンパク質がどのようにコア構造と結合しているのかは未解明であった.そこで本研究では,エボラウイルス様粒子を作製し,クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析法により,エボラウイルス様粒子内に取り込まれたヌクレオカプシドの構造を決定し,その構造情報を基にウイルスタンパク質VP24の機能を解明した.