ウイルス
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発育鶏卵ならびに培養細胞における継代にともなう伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスの病原性の変化
伊沢 久夫永口 良雄長林 俊彦
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1978 年 28 巻 1 号 p. 41-45

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抄録
伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスの減毒株を作出する目的で, 該ウイルス野外株を発育鶏卵, ニワトリ胎児線維芽細胞およびアヒル胎児線維芽細胞のそれぞれに25代まで累代継代し, ニワトリに対する病原性の変化を調べた. その結果, ウイルスの減毒は発育鶏卵継代においてのみ認められた. 発育鶏卵に対する病原性については, 上記3者における継代25代のウイルスの間に質的な差異を認めえなかったが, 胎児の死亡ならびに出血の出現率は発育鶏卵継代ウイルスでもっとも高かった.
発育鶏卵におけるウイルス継代の進行にともない, 継代ウイルス接種鶏血清中のウイルスに対するゲル内沈降線数はしだいに減少し, 減毒ウイルス接種鶏では全例が1本の沈降線を形成した. これに対して, 培養細胞継代で減毒するに至らなかったウイルスを接種したニワトリの一部はなお2本以上の沈降線を示した.
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© 日本ウイルス学会
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