ウイルス
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超薄切片法によるタバコ・モザイク・ウイルス感染葉の病理細胞学. 第1報
松井 千秋
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1958 年 8 巻 5 号 p. 369-373

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抄録
タバコ・モザイク・ウイルス普通株を接種2週間後, ごくわずかにモザイク症状を呈したNicotiana tabacum L. var. Xanthiの若葉をオスミウム酸で固定して超薄切片を作り, 電子顕微鏡下で観察の結果, 次の所見をえた.
1. ウイルスは, 罹病細胞内に無秩序に散在することはなく, 粒子はend-to-endの結合をなし, 相互にほゞ平行に配列して束状に集合しているのが一般である.
2. 細胞内ウイルス集団は, その存在部位により2種類に大別される. すなわち, ある集団は細胞質内に孤立して発見されるものであり, 他の集団は葉緑体や細胞膜に附着して細胞周辺部に見られるものである. 後者の集団は膜様物によつて包まれているが, この膜様物は微細な顆粒よりできている.
3. 罹病細胞内に出現するX体は, 顆粒が密に集積したものであつて空胞を含んでいる.
4. ウイルスを含むX体の発見は稀であり, 一般にX体内にウイルスを見ることは困難である. ウイルスはむしろX体の外表または周囲の細胞質において容易に観察される.
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