抄録
一般毒性試験での対象となる6~20カ月齢のビーグル犬の心電図(613例)についてT波を精査して,毒性評価における問題点を検討した。その結果,ビーグル犬のT波は6カ月齢では陽性が52.3%,陰性が34.2%,2相性が13.5%で,陽性波が50%を超えていた。しかし,7~10カ月齢では陽性波は33.3~36.7%に減少し,陰性波が50.0~60.0%と逆転し,その後はしだいに陰性波が増加する傾向を示した。成長に伴う変化のみならず,誘導法や体位によってもT波の形状が変化することから,T波の評価にあたっては血液化学的検査など,他の検査と合わせて評価することが必須と考えられた。