動物の循環器
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症例報告
ペースメーカー植え込み7カ月後に心内膜リードの右室穿孔を来した犬の1例
柴崎 哲柴崎 美佳大石 太郎大治 和久
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2010 年 43 巻 1 号 p. 15-21

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抄録

重度の臨床症状を伴う第III度房室ブロックと診断した14歳のシー・ズーに,心内膜型ペースメーカー植え込み術を実施した。スクリューインリードを用いた右心室VVIペーシングにより心臓調律は良好に制御され,術後直ちに臨床症状は消失した。その後は良好に経過したが,術後7カ月でリードが右心室を穿孔し伝導障害を合併した。外科的なリードの摘出は困難で,別リードの装着により再ペーシングを行ったが,症例は麻酔覚醒より6時間後に死亡した。小型犬のリードにスクリューインリードを使用する際にはその適応を慎重に決定する必要があり,術後も長期にわたって観察する必要があると考えられた。

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© 2010 日本獣医循環器学会
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