2017 年 50 巻 1 号 p. 7-13
無症状の12歳2カ月のヨークシャー・テリアに胸部X線検査を実施したところ,偶発的に右心房頭側に不透過陰影を認めた。CT検査にて右心耳瘤と診断した後に再度超音波検査を実施したところ,左胸壁からの右心耳断面にて右心耳瘤が描出された。右心耳瘤の根治を目的に外科切除を行い病巣部を病理学的に検索したが,右心耳瘤が生じた原因を明らかにすることはできなかった。本報告は,犬の右心耳瘤の診断とフォローアップにおける超音波検査の有用性と,生前に外科的に右心耳瘤を切除し病理検査に供した初の報告である。