動物の循環器
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症例報告
アイゼンメンジャー症候群を呈した動脈管開存症の犬の1例
喜綿 和美松本 真実河辺 紫樹上野 智章松本 浩毅小山 秀一
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2018 年 51 巻 1 号 p. 9-15

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抄録

雄のトイ・プードル1歳8カ月齢がふらつきと呼吸促迫を主訴として来院した。身体検査では分離性チアノーゼを認め,心雑音は聴取されなかった。心エコー図検査において右心系の拡大を認め,また非選択的血管造影検査において左心系の造影剤の流入陰影は認めず右房と肺動脈そして胸部大動脈が同時に造影されたため,アイゼンメンジャー症候群を呈した動脈管開存症と診断した。本症例に対しては,外科的治療は適応外と判断し,プロスタグランジンI2誘導体製剤であるベラプロストナトリウムの内服と瀉血を行った。それにより,治療開始から5年10カ月を経過した現在も良好に維持できている。

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© 2018 日本獣医循環器学会
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