職業リハビリテーション
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脳外傷者の障害特性と職業リハビリテーションアプローチ
社会適応のタイプの見極めと環境設定
本田 雅子加藤 朗阿部 順子桂川 孝文稲木 順長谷川 真也森内 徹
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1999 年 12 巻 p. 7-15

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抄録

名古屋市総合リハビリテーションセンター職能開発課では、従来、脳外傷者の職業リハビリテーションにおいて、「現実直面」と「リアルフィードバック」の手法が有効であると考えてきた。本研究では、職能開発課を利用した脳外傷者の概要を把握するとともに、職業準備訓練での「現実直面」の効果について検討した。その結果、「現実直面」の手法でも効果がない脳外傷者や、「現実直面」によって精神症状を来す脳外傷者がいることがわかった。また、脳外傷者に特有の認知障害や行動障害、精神症状が重度な障害者の場合、本人に合った環境を見出すことができるかどうかが就労の成否を決定づけることもわかった。したがって、脳外傷者の職業リハビリテーションアプローチにおいて、援助者に求められる役割は、脳外傷者の社会適応のタイプの見極めと環境設定に集約されることになる。

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© 日本職業リハビリテーション学会
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