抄録
近年の、てんかんリハビリテーションの発展に向けた諸処の事象を意識しつつ、国立療養所山形病院と山形障害者職業センターがハローワーク等との連携もとりながら実践してきた・てんかんがある人々の小グループによる職業準備訓練について取りまとめ、実施方法、帰趨状況等について検討した。
その結果、病院と地域センターの密接な情報交換に基づく必要な配慮があれば・てんかんがある人々の公共交通機関を用いた通所による職業準備訓練が安全に実施できること、病院と職リハ機関のネットにより安心して自らの課題克服に努められることにより、修了者の多くが、てんかんを告知しての就職に至れるようになること、というふたつの有効な知見が得られた。
今後、同様な取り組みが多方面でなされるようになれば、てんかんがある人々や家族のみなさんがより前向きに競争的雇用の場に挑戦することができるようになるのであろう。