職業リハビリテーション
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職務分析・課題分析の活用可能性への考察
大手小売店における知的障害者雇用事例から
牧 裕夫谷口 峰夫石川 恭子古谷 護藤井 久美子
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2002 年 15 巻 p. 23-30

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抄録
職務分析や課題分析 (以下「職務・課題分析」という) は、障害を有する利用者の作業場面での学習を支援するために有効な支援技法である。筆者らは職務・課題分析を活用して支援する中で、利用者に対する学習支援としての効果にとどまることなく、職務・課題分析の遂行プロセスそのものが、利用者を取り巻く支援システムの形成に対して様々な効果を有していることに気づいた。
本稿で筆者らは、徳島県内における3つの大手小売店での支援事例を検討した。その結果、職務・課題分析の遂行プロセスの (1) 実施時期、(2) 情報収集の方法、(3) 支援者間の連携といつた支援構造がそれぞれの事例における支援システムに対して異なつた効果を有すること、職務・課題分析の遂行プロセスそのものの波及効果として (1) 職場開拓の推進、(2) 地域ネットワークの形成、(3) 事業所側の支援体制形成等の機能を有していることを示した。
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© 日本職業リハビリテーション学会
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