抄録
中途で受障した脊髄損傷者の職場適応・離職について, 主観的側面である職場等に関する満足意識や職業観がどのように関係しているかを分析した。方法は, 「積極継続群」, 「消極継続群」, 「離職意思群」, 「離職群」の4群に対し, 質問紙法によって得られた満足意識, 職業観についての標準得点を用いた群問比較, 因子分析による満足意識と職業観の分析, ならびに推定因子得点平均による群間比較である。この結果, 満足意識に関しては「職業環境条件」と捉えられる領域が継続・離職意思に関して最も強い関係を持つと考えられた。また, 実際に離職したものは「仕事への適合感」に対する満足感は低くない傾向が認められた。一方, 職業観では離職意思をもちながら継続している離職意思群において, 対人・社会な関係を志向せず, 仕事そのものから得られる内面的価値を重視しようとする傾向がみられ, 職業適応への援助の方法に検討すべき課題があると考えられた。