2008 年 17 巻 5 号 p. 557-564
内シャントの術式別長期成績をまとめ,最適な術式選択について検討した.1984年12月より23年間のシャント手術例のうち追跡データのある1895例を対象として,術式別に開存率(1,3,5 年)を算出するとともに,閉塞の経時的なパターンも検討した.自己血管によるシャント手術は1560例(82.3%),人工血管移植術114例(6.0%),PTAは221例(11.7%)に行われた.動静脈瘻形成術の 1,3,5 年 2 次開存率は部位別にそれぞれタバチエール:61,53,44%;前腕遠位部橈側:70,59,54%;前腕尺側:57,43,35%;前腕中央部橈側:78,69,58%;肘部:87,72,55%であった.また 3 年 2 次開存率が最も良好だったのは上腕部静脈表在化