日本血管外科学会雑誌
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症例
腹部大動脈瘤術後の十二指腸穿孔による人工血管感染に対する大網充填術の 1 治験例
西村 修近藤 慎浩内藤 和寛高橋 賢二
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2008 年 17 巻 6 号 p. 635-638

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抄録

腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術施行 3 年後に,十二指腸穿孔をきたしグラフト感染が疑われた症例に対し,大網充填術を施行した.術後,感染の再燃なく,第65病日に軽快退院となった.人工血管置換術に伴うグラフト感染は,最も重篤な合併症のひとつであり治療に難渋するケースが多いが,局所の洗浄と自己組織充填術にて治癒せしめた報告が散見される.本症例は人工血管による圧迫が十二指腸穿孔の原因となり,グラフト感染を起こしたと考えられた.自己組織充填法は低侵襲であり,移植された人工血管を温存しつつ感染に対する良好な結果が得られ,症例によっては有用な方法である.

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