日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
ヘパリン起因性血小板減少症発症早期における 内シャント造設の経験
長岡 英気藤原 等小林 直紀
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 17 巻 6 号 p. 651-654

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抄録

【背景】ヘパリン起因性血小板減少症(heparin induced thrombocytopenia; HIT)はtype I とtype II に分類され,type II では血小板数の減少と同時に重篤な血栓症を繰り返す.HITの病態に関しては十分な臨床像がつかめているとはいえない.【症例】68歳,女性.透析導入期にHIT type II を発症し内シャント閉塞,透析回路の全凝固,透析用血管内留置カテーテル周囲の血栓といった多発する血栓症と血小板数の減少を認めた.HITの診断がつき次第,アルガトロバン投与を開始し,最終ヘパリン使用から 2 週間の待機を経て内シャント再造設を行い良好な結果を得ることができた.若干の文献的考察を加えて報告する.

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