日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
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症例
抗血小板剤投与中患者の胸部大動脈瘤破裂に対し,待機的手術を行った2例
小山 裕澤崎 優泊 史朗
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 18 巻 6 号 p. 625-629

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抄録
抗血小板剤投与中の症例に対する胸部大動脈瘤手術,とくに破裂症例では出血のリスクが高く適応の決定に苦慮する.われわれは抗血小板療法中の胸部大動脈瘤破裂に対して,保存的治療後に待機的手術を行った 2 例を経験したので報告する.症例 1 は75歳男性.背部痛を主訴に当院救急外来受診.CTで胸部下行大動脈瘤切迫破裂と診断.クロピドグレル内服中であり状態も安定していたため,保存的治療後入院24日目に胸部下行大動脈人工血管置換術施行.症例 2 は81歳女性.食欲低下,発熱の精査で前医受診し,CTで遠位弓部大動脈瘤破裂疑いにて当院搬送.多剤抗血小板剤内服中で,全身状態も不良であったため,保存的治療後入院12日目に弓部全置換術を施行.2 例とも経過良好であった.抗血小板剤内服中の大動脈瘤破裂症例では,降圧療法により症状や血行動態を落ち着かせることが可能な場合もあり,薬効が消失するのを待った後に安全に手術を行うことが可能な症例も存在する.
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