日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
アルガトロバンを使用し下肢動脈バイパス術を施行した ヘパリン起因性血小板減少症の1例
酒井 麻里小島 淳夫
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2013 年 22 巻 3 号 p. 683-687

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抄録
要  旨:ヘパリンは心臓血管外科領域において頻用される薬剤であり,その重篤な合併症であるヘパリン起因性血小板減少症(heparin induced thrombocytopenia; HIT)の診断と管理は重要である.われわれはHITを合併した下肢動脈閉塞症例に対しアルガトロバンを使用し,distal bypassを施行した1例を経験した.症例は83歳男性.左下肢動脈閉塞の診断で血栓除去術を施行したが,術後繰り返す左下肢動脈閉塞,血小板減少よりHITの診断に至った.アルガトロバンを中心とした周術期管理,術中管理により,外腸骨-後脛骨動脈バイパス術を施行し良好に経過することができた.
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