2015 年 24 巻 5 号 p. 841-844
要旨:症例は71 歳,女性.右下肢の間歇性跛行および右足趾の色調変化と冷感を主訴に来院.造影CT 検査にて右膝上部と膝窩部に2 つの膝窩動脈瘤を認め,膝上部の動脈瘤は内転筋腱裂孔の近傍から瘤化しており,膝窩部の巨大な瘤は血栓化し膝窩動脈3 分岐まで血栓閉塞していた.右血栓化膝窩動脈瘤に起因した下肢虚血と診断し手術を施行した.手術はまず内側アプローチにて内転筋腱切開を加えて浅大腿動脈末梢にテーピング後,腹臥位として後方アプローチを併用して動脈瘤切除と膝窩動脈3 分岐の血栓除去および大伏在静脈による血行再建術を行った.術後8 カ月が経過するが合併症なく良好に経過している.