2022 年 31 巻 3 号 p. 129-134
EVARは腹部大動脈瘤の標準治療として普及してきた.技術は進歩し,デバイスも改良されてきているが,未解決の問題もある.EVAR特有の合併症であるエンドリークでは,type IIエンドリーク(T2EL)が最多である.T2ELは存在しても手技成功とされるが,遠隔期に瘤拡大をきたす症例も存在する.T2ELはEVAR後の追加治療の最大の要因であるが,瘤拡大した後の追加治療には難渋することも多い.そのため最近では予防的にT2ELを低減する取り組みも行われてきている.本稿では,現状のT2ELに対する治療と予防について概説する.