2025 年 34 巻 6 号 p. 241-245
腹部アンギーナは,慢性的な腸管虚血症状を呈する疾患であり,その原因となる症候性の慢性腸間膜動脈閉塞(CMI)に対して血行再建術が考慮されるが,標準的な治療方針は確立されていない.70歳男性,食道癌に対する術前化学療法中に右下腹部腹痛を認め,結腸壊死の診断で結腸右半切除術を施行した.2カ月後に再び腹痛が出現し,CT検査で腹腔動脈(CA)の狭窄と上腸間膜動脈(SMA)閉塞を認め,CMIに伴う腹部アンギーナと診断し,CAの狭窄に対してステントを用いた経皮的血管拡張術(EVT)を施行した.EVT後,腹部症状は消失し再発することなく良好な経過を得た.