論文ID: 12-00099
要 旨:症例は71歳男性.腰背部痛,腹痛,嘔吐を主訴に前医を受診した.CTで偽腔開存型Stanford B型急性大動脈解離と最大径78 mmの腎動脈下腹部大動脈瘤を認めて当院に救急搬送された.大動脈解離は腹部大動脈瘤に及び,切迫破裂と診断した.厳重に降圧療法を行い,第10病日に腹部大動脈瘤に対してY型人工血管置換術を施行した.中枢側は開窓術を加えてdouble barrel吻合にした.術中所見と病理学的検査から炎症性腹部大動脈瘤と診断した.合併症はなく術後19日目に退院した.