論文ID: 15-00040
要旨:【目的】慢性総大腿動脈閉塞性病変に対する総大腿動脈への内膜摘除術の有用性について検討した.【方法】2009 年4 月から2015 年3 月まで当院で慢性総大腿動脈閉塞性病変に対して内膜摘除術を施行した26 例29 肢を対象とした.【結果】24 肢で内膜摘除後,大伏在静脈を用いたパッチ形成術を施行し,5 肢で単純縫合した.手術時間は123.8±32.7 分であった.術前ABI は0.62±0.21 であり,術後は0.92±0.15 と改善した.術直後から全例跛行は消失した.入院死亡はなかった.観察期間は24.7±17.8 カ月(2~65 カ月),遠隔期追跡率96.1%で,内膜摘除部は全例遠隔開存していた.【結論】慢性総大腿動脈閉塞性病変に対する内膜摘除術で良好な中期遠隔期成績をえた.慢性総大腿動脈閉塞性病変に対する内膜摘除術は血管内治療全盛の時代においても未だ第一選択となりうる治療法であると考えられた.