水環境学会誌
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総説
水環境中で生成する農薬変化体の文献研究
高梨 啓和浜崎 賢太加藤 雄介中島 常憲大木 章近藤 貴志亀屋 隆志松下 拓
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2013 年 36 巻 2 号 p. 29-38

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抄録
環境水の農薬濃度モニタリングの例は数多く報告されているが,農薬変化体(Pesticide Transformation Products in Water environments: PTPWs)のモニタリングは十分に行われているとは言い難い。その理由の一つとして,PTPWsのリストが見あたらないことがあげられる。環境中に散布された農薬は,ただちに水や二酸化炭素などの最終分解物まで分解されるとは限らず,加水分解物や光分解物などの農薬変化体が水環境中に残留する可能性がある。このため,PTPWsの環境モニタリングや浄水処理特性を検討することが重要と考えられる。そこで本文献研究では,PTPWsの環境モニタリングや浄水処理特性の検討に資することを目的に,農薬評価書をもとに145農薬の610種類のPTPWsを,12,269報の文献および2冊の書籍をもとに14農薬の73種類のPTPWsをリスト化した。
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© 2013 公益社団法人 日本水環境学会
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