水環境学会誌
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研究論文
江戸城外濠における水質改善施策のモデル評価と費用便益分析
吉岡 佐栗栖 聖花木 啓祐
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2015 年 38 巻 1 号 p. 9-21

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抄録

江戸城外濠におけるアオコの発生などによる悪臭,景観への影響を改善するための水質改善施策を,水量,水質,コスト,便益の多方面から定量的・総合的に評価し,その有効性を示した。まず,流出解析モデルにより主な水源であるCSOの流入量評価を行い,その結果と水位・水質の現地測定結果を基に,現状を再現できる水質モデルを構築した。次に,有効な施策としてCSO対策に加えて下水再生水の導水を考え,アオコの発生を防ぐことが可能な最低導水量4,653 m3·日-1を求めた。そして,最低導水量を基に施策に必要となるLCC:3.9億円·年-1を求め,CVMにより算定した施策の便益7.5億円·年-1と比較することにより,施策の有効性を示した。

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© 2015 公益社団法人 日本水環境学会
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