水環境学会誌
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技術論文
マイクロ及びノーマルバブルを用いたパームオイル廃水からの油水分離技術の開発
鮎川 大亮今井 剛Tuan Van LE神野 有生樋口 隆哉山本 浩一関根 雅彦
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2015 年 38 巻 5 号 p. 159-166

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抄録
パームオイルを生産する際に排出される廃水(POME)には油分がエマルジョンの状態で含まれている。現在,この廃水処理の多くはそのコストの安さから開放型ラグーンによって嫌気的に処理されているが,広大な敷地を要する,処理水質が悪いなど様々な問題が生じている。本研究では, 環境への負荷を軽減し,加えて分離•回収した油分を再利用するという観点からマイクロ及びノーマルバブルを組み合わせた新規油水分離技術を開発した。マイクロバブルにノーマルバブルを組み合わせることでマイクロバブルの浮上速度を高め, 油水分離効率の向上を図った。実験結果から,マイクロバブルにノーマルバブルを組み合わせることで,油水分離効率の向上が確認された。さらに タイにて実際のPOMEを用いて同様な装置で油水分離実験を行った場合にもその効果が確認され,マイクロバブルのみの処理と比べ油水分離率が約40%向上することが示された。
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© 2015 公益社団法人 日本水環境学会
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