抄録
パームオイルを生産する際に排出される廃水(POME)には油分がエマルジョンの状態で含まれている。現在,この廃水処理の多くはそのコストの安さから開放型ラグーンによって嫌気的に処理されているが,広大な敷地を要する,処理水質が悪いなど様々な問題が生じている。本研究では, 環境への負荷を軽減し,加えて分離•回収した油分を再利用するという観点からマイクロ及びノーマルバブルを組み合わせた新規油水分離技術を開発した。マイクロバブルにノーマルバブルを組み合わせることでマイクロバブルの浮上速度を高め, 油水分離効率の向上を図った。実験結果から,マイクロバブルにノーマルバブルを組み合わせることで,油水分離効率の向上が確認された。さらに タイにて実際のPOMEを用いて同様な装置で油水分離実験を行った場合にもその効果が確認され,マイクロバブルのみの処理と比べ油水分離率が約40%向上することが示された。