水環境学会誌
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研究論文
堆積物微生物燃料電池による底質改善とアノード設置深度の影響
窪田 恵一楠 和也渡邉 智秀牧 秀明珠坪 一晃
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2017 年 40 巻 2 号 p. 51-57

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抄録

堆積物微生物燃料電池 (SMFC) による底質改善効果特性とアノードの設置深度がその性能に与える影響の把握を目的として, 東京湾底質を用いた室内実験による底質改善試験を行った。SMFCを約55日間運転し, 最大電力密度 8.5 mW m-2を発揮した。底質の酸化還元電位はSMFCの適用によって継続的に-197 mVから-17 mVまで上昇した。底質の酸素消費速度は15.4%低減可能であり, SMFCの電流密度が大きく変化した適用後16~32日に大きく減少していた。SMFCのアノード設置深度はその発電性能に大きな影響を及ぼし, 底質表層付近にのみアノードを設置した系の電流密度 (3.0 mA m-2) は, 底質表層より5 cm以深にアノードを設置した系 (16.5 mA m-2) に比べ1/5以下に留まった。表層でも十分な改善効果を発揮するためには, 同時に表層5 cm以深にもアノードを設置する必要があった。

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© 2017 公益社団法人 日本水環境学会
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