本研究では, 醤油製造廃水に適用可能な処理システムの構築を最終目的として, 地下水の加温利用を考慮した創エネルギー型である低温UASB反応器と省エネルギー型好気性処理である無加温DHS反応器を組みわせたシステムにより模擬醤油製造廃水の連続処理実験を行った。その結果, UASB-DHSシステムは, 塩濃度約3.5 gNa L
-1, 流入COD濃度6,500±900 mgCOD L
-1およびUASB反応器における有機物負荷26±3.6 kgCOD m
-3 d
-1の条件下で87±7%のCOD除去率を達成した。また, 16S rRNA遺伝子解析に基づいた微生物叢解析の結果, 廃水中のCODの約40%を占める揮発性有機酸は
Deltaproteobacteria綱,
Firmicutes門,
Thermotogae門に属する栄養共生細菌,
Synergistetes門細菌とメタン生成古細菌により分解されていることを推定した。
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