水環境学会誌
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技術論文
液体クロマトグラフィータンデム質量分析による水道水中の臭素酸イオン分析条件の検討と妥当性評価
小林 憲弘小坂 浩司浅見 真理中川 慎也木下 輝昭高木 総吉中島 孝江古川 浩司中村 弘揮工藤 清惣粕谷 智浩土屋 かおり寺中 郁夫若月 紀代子加登 優樹小関 栄一郎井上 智村上 真一金田 智関 桂子北本 靖子堀池 秀樹米久保 淳清水 尚登髙原 玲華齊藤 香織五十嵐 良明
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2017 年 40 巻 6 号 p. 223-233

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抄録

水道水中の臭素酸イオン (BrO3-) を既存の告示法よりも高精度かつ迅速・簡便に分析するために, LC/MS/MSによる測定方法を検討し, 臭素酸イオンを高感度に検出でき, さらに水道水中に含まれる他の陰イオンを良好に分離可能な測定条件を確立した。さらに, 本研究で確立した測定条件が全国の水道水に適用できるかどうかを検証するために, 水道事業体等の23機関において水道水に臭素酸イオンを基準値 (0.01 mg L-1) およびその1/10 (0.001 mg L-1) となるように添加した試料を調製し, 各機関で最適化した様々な測定条件で試験を行った。その結果, いずれの機関においても厚生労働省が示している「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」の真度, 併行精度および室内精度の目標を満たしたことから, 本分析法は水道水中の臭素酸イオンを基準値の1/10 (0.001 mg L-1) まで高精度に分析可能であると評価した。

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© 2017 公益社団法人 日本水環境学会
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