2019 年 42 巻 1 号 p. 1-6
半導体及び液晶パネルの製造工程で主に使用されている水酸化テトラメチルアンモニウム (TMAH) は, 水質汚濁防止法に基づく排水規制の対象外であり, 環境中への放出が否定できず水生生物への影響が懸念される。ゆえに本研究では, 水生生物の保全に向けたTMAHの排水管理目標値を設定するため, ニセネコゼミジンコによる繁殖試験及びゼブラフィッシュによる胚・仔魚期短期毒性試験を実施した。その結果, ニセネコゼミジンコ及びゼブラフィッシュに対する最大無影響濃度はそれぞれ0.0158及び500 mg L-1であり, ニセネコゼミジンコが高い感受性を示した。TMAHが事業場から公共用水域へ直接排出される場合, 公共用水域における事業場排水の希釈率を10倍と仮定すると, 排水中のTMAH濃度は水生生物の保全を考慮して概ね0.158 mg L-1以下に管理する必要があると考えられた。